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南十字星に口紅を
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ザ・ロンゲスト・ナイト
風がさらに強くなり息をつくように唸っている。
直接に風はあったっていないが時折回りこんで吹き付けてくる。
雨も同じよう吹き付けてくるが何でか分からないがバケツの水を
ひっくり返したように上からバッシャっと落っこちてきている。
多分岩のところの堰のようなところに溜まった雨が一度に流れてくる
のだろうと思った。
テントに直撃しないことを神仏にお願いをしたのだった。
願いを叶えてくれたのだろう直撃はなかったが近所に
落ちて一瞬ながらかなりの水がテント内に入って大いに慌てたのだった。
雨具を2重に着て細いザイルを体に結び付けてランプを持ち台風の中を
テントの外に出て周りを確認するが異常はないようだ。
テントの中に戻り絶えず外の音を聞き漏らさずに聞いていた。
異常はない、やがて風が弱まってきたように感じた。
まだ息をしながら吹き付けているようだがピークは過ぎた。
雨も同じようだと外の音で分かった。
初めがあれば終わりもくる。詩的な感情になってくる。
もうすぐ終わりがくる、ただ待つのみ。
全員が起きている、やがてやってくる終わりを待つのみ。
やって来たようだ、静かになってきた。もう少しだ。
空もしらみ始めて来た、長い長い夜だった。
明るくなってきた、全員でテントの外に出る。
空を見上げ、守護神の大きな岩を見て感謝する。

Dvorak - Symphony No. 9 "From the New World"

簡単な食事を済ましテントをたたみ準備をして出発。
装備が雨に濡れて重いこと重いことであった。
さらに上へ、頂上へ。
山頂の銀の炎に燃え上がる美の頂点、ビーナス!!
に会いに行く。
歩きはじめた、森林限界を越え見通しが開けた。
さらに上部へ。風はほとんどないが時折吹き返しの強い風が吹く。
空は台風一過の澄み渡る青空であった。
気持ちの良いオゾン一杯の空気だ。
さあ、着いた。頂上ではない、始めから難関になるであろうと
予想された岩場にたどりついた。
「千代の吹き上げ」
普段でさえ風が吹き上げて危険なところだと聞いていたが台風の直後。
であるからどうなっているのか皆目見当がつかない。
なせば成るの精神でなんとかなるだろうと皆思ったのだが。
結論から言えば、なせば成るの精神でなんとかならなかった。
ものすごい突風が吹き上げてそのまま宇宙の彼方に行けそうな風だった。
回り込んで反対側から行こうと試みたが台風の吹き返しの風で断念した。
山頂の銀の炎に燃え上がる美の頂点、ビーナス!!
を目の前にして衆議で下山と決定、断念した。
また来るさ、と手を振って下山した。

温泉に入らずにバスに乗り駅へ、そのまま駅から家路についた。


後日談がある。
再度、金峰山に挑戦したがまたも断念だった。
雷がゴロゴロ鳴って落ちて来ていた。
ピッカゴロゴロドーン。
こっちに向かって落ちてくるようだった。
怖いこと怖いこと。まあ、恐ろしいどすえ。
退避して待ったのだが時間切れで断念した。
いまだにコロたんにとっては未踏峰の山どす。
そのうちまた行きましょうと思うのどすが
二度あることは三度あるのジンクスでためらっておるどす。


ほな さいなら

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