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南十字星に口紅を
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悠久の美
信号待ちをしていた。
待っている間不動産屋さんが目に入ったのだ。
貸室なのか売り家なのか借家なのか。
それともそのすべてなのか。
貼り紙が所狭しと貼ってあったのだ。
今はさりとて貸室売り家、借家は必要としていない。
だがそれを見たときにちょっと変わったことを思ったのだ。
その変わったことを現実に一度ならず見たことがあるのだ。
ないかそれがないかと貼り紙を見ながら探したのだが残念ながらなのか
あいにくなのか当然なのかなかった。
あの貼り紙はどこで見たのだろうか、随分とたくさん貼ってあったような
記憶が浅いながらも覚えている。
石畳の通り、石造りの家、落書きの壁と記憶が蘇ってくる。
あっ、あそこだよ、ロメオとジュリエットだよ。
シェークスピアの戯曲のモデルとなったロメオとジュリエットが
密会したバルコニーのあったお屋敷の所だよ。

A time for us Romeo and Juliet


イタリアはヴェローナという街であった。
この街を一人で歩いている時に貼り紙がいくつも貼ってあったのだ。
「このあたりで部屋を貸して下さい」
こういう貼り紙がいくつも貼ってあったのだ。
珍しい貼り紙だなぁと思ったのだった。
すごく住みやすくていい街なんだろうと思ったわけどす。
庶民の街のように見えるのだが穏やかな街なんだろうと思ったわけどす。
良する街ぎて空き部屋がないんだろうとも思ったわけどす。
うらやましいどすなぁ。
ここまではおぼろげながらも思い出したのであるが先がちょっと分からないのだ。
思い出せないというのか混同してしまっているのだった。
石畳の通り、石造りの家、落書きの壁と歩いて行ったのだがなぜなのか
着いた先はカンポ広場であったのだ。
違う街に記憶が行ってしまうのだ。
途中で円形競技場を見て入ったような記憶もあるのだがこれははっきり覚えている。
ローマ、ナポリそしてヴェローナ。
イタリアで見た大きな円形競技場なのでその場所と共によく覚えている。
だがロメオとジュリエットが密会したバルコニーのあった小ぶりのお屋敷を出て
さらに石畳の通り、石造りの家の間を歩き続けて広場が見えてきた。
カメラの電池が切れたのでお店に入り買い求めたのだ。
おねぇさんこの電池下さい。
違ったバッテリーどす。おねぇさんこのバッテリー下さい。
一瞬ぽか~んとしたおねぇさんどしたが売ってくれました。
はい電池お待たせしました。
面白い、話好きのおねぇさんどした。

Piazza del に着いた。
記憶のままで着いた広場はPiazza del Campo。
ここの広場は違うよ。シエナの街の広場だよ。
ロメオとジュリエットが密会したバルコニーのあったお屋敷はヴェローナだったよ。
記憶の場所を混同しているのであった。

異邦人にとっては細かい違いの文化伝統がよく分からず、
みんな同じように見えるのかもなぁ。
作り上げられた伝統文化と街の時間は長いのだと思い知らされるどすなぁ。


ほな さいなら
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