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南十字星に口紅を
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彼方の記憶
ある話をしよう。
幻想であるのか、空想であるのか。
それはおまかせする。
幻覚であったことは間違いない。
記憶を過去にたどるわけどす。
ある所まではインパクトの強かった幼いころの記憶はあるどす。
ところが、ある時点での以前の記憶はまったくない。
3歳までくらいの前の記憶はまったくない。
ところが、ところがどす。
もうすぐ頂上だ、ピークだ。
予想外な事が起きた。
天候は急速にくずれにくずれ視界がまったくきかない。
だが、銀の炎に燃え上がる山頂の女神、ビーナスはうっすらと見えている
ピンチピンチの大チピンチの中でビーナスの顔がはっきりと見えた。
そこに幼なすぎる自分をも見たのだ。

The Eagles - Hotel California


赤ちゃんを抱きしめる若き女性の姿であった。
愛に満ちた満足しきった姿である。
唇びるをなめ、鼻をなめ、瞼にキッスをして頭を抱きしめる
優しい、若いきれいな赤ちゃんを抱く銀の炎に燃え上がる山頂の女神、
ビーナスが見えていたのである。
見覚えのある顔である。
若き愛する母親の顔であったのだ。
するとこの赤ちゃんは・・・・・・・

永久に思い出さない記憶をある瞬間に見る。
幻覚であるのか、幻想であるのか、空想であるのか。
幻覚であったが事実でもあった。
奇妙な血液の沸騰をも感じたのだった。

複雑にして単純。
単純にして複雑。
そんなもんだろうと割り切るしかねぇのだろう。
そう思うのだった。

幻想であるのか、空想であるのか、
幻覚であることには間違いない。


幼き日々の思い出を大切に



ほな さいなら
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